第312章

 その言葉を聞いて、望月は意外にも真剣に考え込み、やがて、もっともらしく頷いた。

「お前の言う通りだ。口先だけでどれだけ甘いことを言っても、実際の行動には敵わない」

 山口は一瞬、呆気に取られた。

 望月は、自省を含んだ真面目な表情で言葉を継ぐ。

「俺の以前の振る舞いが酷かったのは分かってる。お前に疑われるのも当然だ」

「だが、それは過去のことだ。多くは語らない。ただ、南に俺の気持ちが届けばいい。それ以外、何も望まない」

 目の前の男が見せた、珍しいほどの真剣さ。あの矜持が高く冷淡な男には似つかわしくない表情だったが、不思議と不快感はなかった。むしろ、有言実行してくれそうな予感が...

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